給油口が開いたら、赤色のレギュラーノズルを持ち上げて給油を開始します。しかし、ここがセルフ給油における最大の難所であり、多くの初心者がガソリンを車外へ溢れさせてしまうトラブル現場でもあります。
給油ノズルを握る際、原付給油ノズルの差し込み方には独特のコツが存在します。車の給油口と異なり、原付の給油口パイプは非常に浅く作られています。ノズルを奥深くまで強引に差し込もうとすると、ノズルの先端がタンク内部の底や壁面に直接衝突してしまいます。ノズル先端を給油口の金属枠に軽く引っかけ、ノズル本体を斜め前方に寝かせるように安定させるのが理想的な角度です。
そして最も警戒すべきが、原付オートストップ機能注意点です。ガソリンスタンドのノズル先端には、空気圧を検知して液面が達した瞬間に給油を遮断する「オートストップ(自動停止センサー)」が内蔵されています。乗用車の場合は数十リットルのタンク容量があるためセンサーが正常に作動しますが、原付の小さなタンク(3〜4リットル程度)ではガソリンの流入スピードに対してタンク内部のエア抜けが追いつかず、液面が一瞬で跳ね上がります。その結果、センサーが反応するよりも早くガソリンが給油口から噴水のように吹き出す構造的欠陥を抱えています。
確実な原付ガソリン吹きこぼれ対策として、給油レバーを一気に全開で握り込んではいけません。最初は半分程度の力で握って液面を注視し、タンクの半分を超えたあたりからはレバーを小刻みに握り直す「チョロチョロ給油」へ切り替えます。どこまで入れればよいかという原付ガソリン満タンの目安は、給油口の内部に見える「金属プレート(筒状の給油ガイド枠)」の下端ラインです。決して給油口のフチぎりぎりまで入れてはいけません。ガソリンは外気温の上昇によって容積が膨張するため、限界まで詰め込むと走行中の振動や熱膨張によってブリーザーホースから路面へ漏れ出し、重大な引火火災の原因となります。