ネット検索で「無料イラスト」と打ち込めば無数の画像が手に入る現代だからこそ、プロの編集者やデザイナーが警戒を強めているのが利用規約の落とし穴です。「フリー素材」という言葉の独り歩きにより、現場では時に重大な権利侵害のトラブルが散見されます。
最大の誤解は、「商用利用無料」と書かれていれば何をしても自由であるという思い込みです。多くのフリー素材サイトでは、チラシへの印刷やWEBサイトへの挿入は認めているものの、イラストそのものをTシャツやマグカップなどの商品(グッズ)にして販売する行為(商用グッズ化)や、素材をトレードマーク・ロゴとして商標登録する行為を厳格に禁じています。さらに、1つの制作物の中で使用できる無料素材の点数に上限(例:1つの商用パンフレットにつき20点まで)を設けているプラットフォームも少なくありません。
また、昨今の画像生成AIの急速な普及に伴い、検索エンジン上位にAI生成された焼き芋のイラスト素材が紛れ込むケースが増加しています。これらの中には、実在するプロのイラストレーターの固有の作風を無断で追加学習させたモデルから出力されたものが含まれているリスクが存在します。企業の公式POPや商品ラベルに安易にAI生成由来の未確認素材を使用すると、SNS上での炎上や著作権侵害警告を受ける法的リスクを孕んでいます。
安全な運用のための防衛策は極めてシンプルです。出所不明なまとめブログからのダウンロードを避け、運営元が明確で利用規約が日本語で緻密に策定されている老舗の国内ストックフォトサイト(イラストAC、PIXTA、いらすとや等)を利用すること。そして、素材ごとの個別ライセンス範囲をダウンロード直前に目視確認するルーティンを徹底することです。