実際に現地へ足を運ぶと、同じ高梁川の河川敷でありながら、拠点ごとに整備レベルの落差が明瞭に現れます。軟式野球やソフトボールの主戦場となる高梁川河川敷野球場は、バックネットやベンチ用スペースこそ確保されているものの、内野は硬質な真砂土、外野は野芝が中心です。降雨後は水はけに時間を要し、乾けば強風時に砂塵が舞うという、河川敷特有のコンディションと向き合う必要があります。
一方、少年サッカーや社会人リーグの練習に用いられる高梁川河川敷サッカー場では、芝の定着状態が区画によって大きく異なります。整備頻度の高いエリアでは良好なフラットサーフェスが維持されている反面、オフシーズンや増水被害の直後は凹凸が残りやすいため、入念なピッチ確認が怪我予防の絶対条件です。
現場取材において利用者が最も苦心している点として挙げられたのが、トイレ設備と水道環境の制約です。河川敷は増水時に水没する宿命にあるため、恒久的な水洗トイレの建築が法的に制限されています。設置されているのは簡易的な仮設トイレが中心であり、手洗い用の水道設備も引かれていないか、あっても井戸水や手押しポンプで飲用不可となっている区画が一般的です。選手や保護者が現地入りする際は、十分な飲料水と除菌シート類を各自で持ち込む危機管理意識が欠かせません。
なお、下流寄りの霞橋河川敷広場や、自然共生型の教育ゾーンである高梁川水辺の楽校周辺では、散策路や芝生広場が併設されており、ウォーキングや軽運動には適した環境が整っています。しかし、競技専用グラウンドとしての独立性を求める場合、境界線の曖昧さや一般散策者への配慮が不可欠となります。