教育現場を取材すると、多くの指導教員が口を揃えて指摘する共通の課題があります。「ネット上の百科事典や検索エンジンの上位テキストを、そのまま書き写しただけの提出物が目立つ」という実態です。
都内の公立小学校で高学年の社会科を受け持つ教員は、近年の調べ学習について次のように所感を明かしています。
「タブレット端末の普及によって、子供たちは数秒でデータを集められるようになりました。しかし、数値や地名を綺麗に並べるだけでは、本人の学びにはつながりません。『なぜこの国は農業が盛んなのか』『日本との違いをどう感じたのか』という自分なりの問いと考察が1行でもあるかないかで、レポートの価値は劇的に変わります」
家庭学習における保護者からの相談でも、「子供がただ文章をノートに写す作業になってしまい、退屈そうにしている」「自由研究としてオリジナリティをどう出せばよいか分からない」という声が頻出しています。単なる情報のコピペ作業から脱却するためには、「驚いたこと」「日本と似ている点・異なる点」「もし自分がその国に住んだら」といった、主観的な気付きを書き留める欄を意識的に設ける構成が求められます。