甲子園には「魔物」が棲むと言われる。満員のアルプススタンドからの大声援、一瞬の隙が命取りになる極限状態。どんな強豪校であっても、雰囲気に飲み込まれて自滅することがある。
しかし、沖縄尚学の選手たちに狼狽の兆しは見られない。チームが取り入れているのは、スポーツ心理学に基づいたメンタルトレーニングと、独自の瞑想プログラムだ。ピンチの場面こそ全員で深く息を吐き、目前の一球にのみ意識を集中させる。「甲子園の雰囲気を楽しむ」のではなく、「どんな状況も想定内として受け入れる」強さ。大歓声すらも自分たちの追い風に変えてしまう精神的タフネスが、接戦での驚異的な強さを支えている。