確かな目利きを行うには、感性だけでなく科学的な知識が必要となる。現地で活動する宝石鑑別士は、屈折計や分光器を用いて光学特性を測定し、合成石や模造石を正確に排除している。鉱物学の理論に基づいた結晶構造の分析は、石の耐久性や経年変化の予測にも欠かせない。
例えば、エメラルドの微細なクラックに対するオイル処理や、サファイアの加熱による色調補正などは、宝飾業界での標準的な処理として認められている。重要なのは、こうした処理の有無が適正に開示され、価格に反映されているかどうかの見極めだ。プロの鑑別士が介在する問屋を選ぶことで、購入後のトラブルを未然に防ぐことができる。