京都の街はいま、歴史的な観光ブームの渦中にある。清水寺や金閣寺周辺の小路が連日大勢の訪問者で埋め尽くされる中、南北約1.3キロメートル、東西約0.7キロメートルに及ぶこの広大な緑地帯は、異質なほどの静けさを保ち続けている。
地元で長年暮らす市民にとっても、ここは単なる観光地ではない。朝のジョギングコースであり、散歩道であり、時には木陰で本を開く日常の延長線上にある場所だ。2026年に入り、京都市と環境省は観光客の分散化を図る施策の一環として、この広大な緑地が持つ「静穏の価値」を前面に押し出し始めた。