初登場時のパーム=シベリアは、異様の一言に尽きた。乱れた長髪、怨念を孕んだ鋭い眼光、そして包丁を手にして師匠ノヴへ異常なまでの執着を寄せる姿。読者に突きつけられたのは、狂気と不安そのものだった。ゴンやキルアとの修業期間中も、情緒の激しい高ぶりと突発的な暴力性が場を支配していた。
しかし、冨樫義博の真骨頂はここから発揮される。単なる怪奇キャラとしての演出に終わらせず、その過激な言動の裏側にある純粋すぎる精神性を徐々に浮き彫りにしていった。彼女の激しい感情は、愛する対象や自らに課した使命への、純度100%の純粋さの裏返しにほかならなかったのだ。