観光客が手羽先を食べる際によく見られる光景が、骨の周りに肉を残してしまったり、指先を油とタレでギトギトにして格闘している姿です。しかし、地元の常連客は一切手を汚さず、わずか数秒で2本の細い骨だけを綺麗に引き抜いて皿に積み上げていきます。習得すべき名古屋手羽先の食べ方のコツには、大きく分けて2つの流派が存在します。
最も推奨される基本技法は「ツイスト&スライドアプローチ」です。まず、手羽先の先端にある関節部分(手羽端)を両手で持ち、逆方向にポキッと折って切り離します。次に、太い肉側を口にくわえ、親指と人差し指で2本の骨の端をつまみます。そのまま歯で肉を軽く押さえながら骨を前方にスッと引き抜くだけで、口の中に骨のないジューシーな肉だけが残る仕掛けです。
もう一つの玄人向け技法が「ワンバイト・ツイスト抜き」です。肉の厚い側の関節をねじって軟骨を外した状態にし、太い骨と細い骨を1本ずつ指でスポッと引き抜いてから、完全に骨フリーとなった塊肉を一気に頬張ります。この手順を踏むことで、衣のカリッとしたクリスピー感と肉汁を舌全体でダイレクトに享受でき、食事のテンポが劇的に向上します。