養成所のレッスン生や独学者が必ずと言っていいほど噛んでしまう「三大難所」が存在します。舌がもつれる原因は、舌の筋力不足だけでなく「調音点の移行エラー」にあります。それぞれの難所における具体的な読み方のコツを解説します。
難所1:「武具馬具、三武具馬具、合わせて武具馬具、六武具馬具」
【失敗の原因】「ぶぐ(濁音破裂音)」と「ばぐ(母音「あ」の破裂音)」が交互に現れるため、唇を閉じるタイミングがズレて「ぶぐばぐ」が「ぶぶばぐ」などに崩れます。
【プロの攻略法】「ぶ」と「ば」を発声する際、唇の真ん中を意識して弾くように弾力を意識します。「さん・ぶぐばぐ」「む・ぶぐばぐ」と、数字の後にごくわずかな無音のタメ(マイクロポーズ)を置くことで、リズムが崩れなくなります。
难所2:「向こうの胡麻殻は、荏の胡麻殻か、真胡麻殻か、あれこそほんの真胡麻殻」
【失敗の原因】「ごまがら」「えのごまがら」「まごまがら」と、ガ行鼻濁音とマ行(両唇鼻音)が錯綜し、舌根に余計な力が入ります。
【プロの攻略法】「え・の・ご・ま・が・ら」「ま・ご・ま・が・ら」と、最初は頭文字(エ、マ)を際立たせて発音します。「がら」のラ行で舌先を上顎に弾いた直後、次の「ま」の準備のために唇を素早くリセットすることがポイントです。
難所3:「野良如来、野良如来、三野良如来に、六野良如来」
【失敗の原因】「の(ナ行:歯茎鼻音)」と「ら(ラ行:歯茎弾き音)」、「にょ(硬口蓋鼻音)」という、舌の位置がミリ単位で異なる音が極限状態で連続するため、最も噛みやすい最難関パートです。
【プロの攻略法】「のら」「にょらい」を一つの塊として捉えず、「の・ら・にょ・ら・い」と5音均等にメトロノームに合わせて分解練習します。「にょ」のときに口をすぼめすぎず、上顎の奥に舌の背中を広く密着させてから一気に解放する感覚を掴んでください。