見慣れた世界地図の嘘を暴く!面積が歪む理由と日本の意外な真の実力

見慣れた世界地図の嘘を暴く!面積が歪む理由と日本の意外な真の実力

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教室や一般的な世界地図ポスターで圧倒的なシェアを誇ってきたのが、1569年にフランドル地方(現在のベルギー)の地理学者ゲラルドゥス・メルカトルが考案したメルカトル図法(正角円筒図法)です。この図法が500年近くにわたり重宝されてきた背景には明確な航海上の利点がありました。地球上の任意の2点を結んだ直線(等角航路)に沿って羅針盤を固定して進めば、目的地へ確実に到達できるという画期的な実用性です。

しかし、航路の角度を正しく保つ(正角性)という目的と引き換えに、面積の正確性が決定的に犠牲となりました。球体である地球を円筒で包み、中心から光を当てて投影する構造上、赤道直下では縮尺の歪みが最小限に抑えられる一方、極点に近づく高緯度地域ほど経線と緯線の間隔が無限大に引き伸ばされてしまうのです。

国土地理院や地図測量史の専門研究資料でも詳述されている通り、メルカトル図法における面積の拡大率は緯度($\phi$)の「$1/\cos^2\phi$」に比例します。具体的には、緯度60度付近では長さが2倍、面積にして実に4倍に拡大されます。さらに緯度80度を超えると長さは約5.8倍、面積は33倍以上にまで膨れ上がります。つまり、北欧、ロシア、カナダ、グリーンランドといった高緯度地域は、物理的な実態からかけ離れた巨大な姿で私たちの脳裏に刷り込まれ続けてきたのです。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。