ネット上の掲示板やSNSでは「爪楊枝でほじくったら大量のゴミが取れて直った」という体験談が数多く投稿されています。しかし、ハードウェア修理エンジニアの視点から見ると、これは極めて危険なギャンブル行為に他なりません。
最大の爪楊枝NG理由は、先端にかかる応力と素材の脆さにあります。充電ポート内部の狭小空間に木製の爪楊枝を差し込んで力を加えると、先端がわずか1〜2ミリの単位で折れ、ポートの最深部に残置される事故が多発しています。木片が詰まるとピンセットでも掴めなくなり、最終的に端末の分解修理(修理費用15,000円〜35,000円前後)を余儀なくされます。さらに、木製であっても先端の繊維が内部の接触ピンに引っかかり、ピンを外側に押し広げて永久に変形させてしまうリスクを排除できません。
また、安全ピン・クリップ・SIMピンなどの「金属製アイテム」を使用することは致命的な過失となります。スマートフォンの充電端子には微弱な待機電圧がかかっている場合があり、金属が触れた瞬間に端子間ショート(短絡)を引き起こします。これにより充電制御ICチップが焼き切れ、ロジックボード全体の故障へと直結します。同様に、息を強く吹きかける行為も呼気に含まれる水分・唾液が端子に付着し、将来的な緑青(サビ)や腐食を招くため厳禁です。