財務レバレッジの「レバレッジ(Leverage)」とは、物理学における「てこ(Lever)の作用」を意味します。小さな力で重い荷物を持ち上げるように、わずかな自己資本に借入金や社債などの他人資本を組み合わせることで、巨額の総資産を動かし、より大きなリターンを狙う財務戦略を指します。
具体的な財務レバレッジ倍率の計算方法は極めてシンプルです。企業のバランスシート(貸借対照表)の数値を基に、以下の財務レバレッジ計算式を用いて算出します。
【計算式】財務レバレッジ(倍) = 総資産 ÷ 自己資本(純資産)
例えば、自己資本が10億円、負債が10億円ある企業の場合、総資産は20億円となります。この企業の財務レバレッジは「20億円 ÷ 10億円 = 2.0倍」と計算されます。もしこの企業がさらに20億円の銀行借入を行い、総資産が40億円に拡大したとすれば、「40億円 ÷ 10億円 = 4.0倍」となり、財務レバレッジが高まった状態を示します。
ここで多くの人が混同しやすいのが、財務レバレッジと自己資本比率の違いです。両者は表裏一体の関係にあり、数式の上でも明確に結びついています。自己資本比率は「自己資本 ÷ 総資産」で求められるため、財務レバレッジは自己資本比率の逆数(1 ÷ 自己資本比率)と完全に一致します。
自己資本比率が50%の企業であれば財務レバレッジは2.0倍(1 ÷ 0.5)、自己資本比率が20%まで低下すれば財務レバレッジは5.0倍(1 ÷ 0.2)に跳ね上がります。つまり、自己資本比率が企業の「安全性・自己資金の厚み」を測る指標であるのに対し、財務レバレッジは「他人資本をどれだけアグレッシブに活用しているか」という積極性を測る指標と言えます。