家族の一員を見送る精神的な負担の中で、忘れがちなのが法的な届け出です。特に犬を飼育していた場合、狂犬病予防法第4条に基づき、犬の死亡届の提出期限は「死亡した日から30日以内」と法律で厳格に定められています。
届け出先は登録のある市区町村の保健所や役所の担当窓口です。鑑札と狂犬病予防注射済票を持参して手続きを行います。近年は自治体のデジタル化が進み、マイナンバーカードを用いたオンライン申請に対応する自治体が増加していますが、未提出のまま放置すると狂犬病予防法違反として最大20万円の過料が科されるリスクがあります。猫や小動物には狂犬病予防法上の届け出義務はありませんが、犬の場合は法的な管理対象である事実を忘れてはなりません。
さらに見落とされがちなのが、マイクロチップ登録の抹消手続きです。2026年6月に義務化された改正動物愛護管理法に基づき、環境省のデータベース「犬と猫のマイクロチップ情報登録」に登録されている個体については、飼い主自身がオンラインシステムを通じて死亡届出を行わなければなりません。登録をそのままにしておくと、狂犬病予防注射の案内が届き続けたり、行政上の所有者情報が残存し続けたりするため、火葬や葬儀が落ち着いた段階で速やかに完了させる必要があります。
あわせて、加入しているペット保険の解約手続きや、民間血統書発行団体への登録抹消連絡も順次進めていくことが、手続き漏れによる無駄な出費や心理的負担を防ぐための鉄則です。