第1空挺団の内情を知る元隊員たちが異口同音に語るのは、「徹底された心理的自己統制」の重要性です。テレビ番組などの取材や退役自衛官の手記には、訓練生時代の凄まじいプレッシャーが克明に綴られています。
「航空機の扉が開き、上空300メートルの強風と轟音が機内に吹き込んできた瞬間、足がすくまない人間はいない。恐怖で頭が真っ白になる。しかし、教官の『降下!』の合図とともに、考える前に体が虚空へ飛び出していく。あれは勇気ではなく、何千回と繰り返した反復訓練による条件反射だ」
隊員たちは習志野のグラウンドで、着地時の転倒姿勢を何千回も繰り返し、骨や関節に正しい衝撃吸収の軌道を叩き込みます。この反復が生死を分けるのです。また、隊員同士の連帯感も一般的な職場とは一線を画します。「自分のパラシュートを畳んでくれた仲間を100%信頼し、空中で隣を飛ぶ戦友に命を預ける」という絶対的な信頼関係が、部隊の高い士気を支えています。