サターン聖がボニーの治療を承認する代償としてくまに要求したのは、以下の絶対遵守すべき3つの条件でした。これこそが、長年謎に包まれていた「くまが世界政府の忠実な狗となり、自ら自我を捨てて人間兵器となった理由」の全貌です。
第一の条件は、「王下七武海」への即時加盟です。当時、新進気鋭の海賊ポートガス・D・エースが七武海の一角を撃破したことで政府の戦力バランスに穴が空いていました。政府はバッカニア族の圧倒的な膂力を持つくまを海賊の抑止力として利用しようと目論んだのです。
第二の条件は、海軍の人間兵器サイボーグ化手術の「完全な生体実験体」となること。単なる遺伝子サンプルの提供にとどまらず、くま自身の肉体そのものを機械へと改造し、量産型パシフィスタのプロトタイプに仕立て上げることが求められました。
そして第三にして最も残酷な条件が、すべての生体改造手術が完了した暁に「くま自身の思考・意識・自我を完全に消去すること」でした。元革命軍幹部であり、反逆の意志を持つ者を野放しにはできないという世界政府の冷徹な統制論理です。
ベガパンクは「それは人間を殺すことと同じだ! 私は科学者であって殺人鬼ではない!」と激昂し、サターン聖に猛抗議しました。しかし、くまは穏やかな微笑みをたたえながらベガパンクを制し、「ボニーが生きられるなら、私はどんな悪魔にでもなる。ありがとう、ベガパンク」と即座に全条件を承諾。自らの人格の死と引き換えに、最愛の娘の未来を買い取ったのです。