精神科医Tomyの最大の代名詞といえば、「〜よ」「〜じゃないかしら」という親しみやすいオネエ言葉です。この口調を採用した理由について、本人は「ゲイであることを自認する素の自分を表現しつつ、上から目線になりがちな医師と読者の上下関係をフラットにするため」と語っています。
説教くさくなりがちな心理アドバイスも、オネエ言葉というフィルターを通すことで、心にすんなりと染み入る効果を生んでいます。しかし、その言葉が単なる処世術にとどまらない説得力を持つのは、彼自身が経験した最愛のパートナーとの突然の死別という過酷な試練を経ているからです。
かつて同性パートナーと生活を共にしていたTomyですが、ある日突然、パートナーが病に倒れ帰らぬ人となりました。精神科医でありながら深い悲嘆(グリーフ)と激しい抑うつ状態に陥り、「人はなぜ生きるのか」「失った悲しみをどう抱えていくのか」について、自らの心身を引き裂かれながら思索し続けた時期がありました。その絶望の淵から這い上がる過程で生まれたのが、ベストセラー『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』をはじめとする珠玉の言葉たちです。