被爆体験者の高齢化が進み、直接の証言を聞く機会が失われつつある現代、映像表現が果たす役割は極めて大きい。こうの史代の原作をアニメーション映画化した『この世界の片隅に』では、戦前の活気あふれる広島市街と、まだ美しい産業奨励館だった頃のドームが圧倒的な時代考証で蘇った。市井の人々の営みを描くことで、失われたものの巨大さを痛感させる名作だ。
さらに現在では、NetflixやNHKオンデマンドをはじめとするストリーミングプラットフォーム上で、被爆の実態を多角的に検証する歴史ドキュメンタリーが世界規模で視聴されている。膨大なアーカイブ映像や最新のAIカラー化技術を駆使したコンテンツは、地理的・世代的断絶を飛び越え、遠く離れた海外の若者たちへも確かな切迫感をもって届いている。