度重なる火災事故を受け、日本の消防法は段階的に強化されてきました。現在、不特定多数が出入りする雑居ビルには極めて厳しい安全基準が課されています。
雑居ビルに義務付けられている主な消防対策は以下の通りです。
◆ 自動火災報知設備・スプリンクラーの設置基準
特定用途の面積や階数に応じ、熱や煙を感知して自動でベルを鳴らす自動火災報知設備の設置が必須です。小規模であっても飲食店や風俗店が入居する場合は基準が引き下げられ、早期警戒システムの配備が求められます。
◆ 階段・防火扉の維持管理と是正命令
避難階段や防火扉の周囲に障害物を置く行為に対しては、消防機関による立ち入り検査(査察)が行われます。悪質な違反が改善されない場合、建物名や違反内容の公表、使用停止命令などの厳しい行政処分が科されます。
◆ 防火管理者・統括防火管理者の選任義務
一定規模以上の雑居ビルでは、各テナントごとに「防火管理者」を選任し、消防計画の作成や避難訓練を実施しなければなりません。さらに、複数のテナントが入るビル全体を一元的に管理するため、オーナー主導で「統括防火管理者」を選任し、建物全体の安全管理体制を構築することが法的に義務付けられています。