前回の総選挙を特徴づけた最大の要因は、政治改革の掛け声のもとで行われた「処分の線引き」でした。裏金問題落選議員一覧を振り返ると、不記載額や役職に応じて「非公認」や「比例重複立候補の禁止」という重い政治的ペナルティが課された陣営が壊滅的な打撃を受けたことがわかります。
かつての中選挙区制とは異なり、小選挙区比例代表並立制において「比例重複」は強大な保険として機能してきました。惜敗率90%台を記録すれば、小選挙区で敗れても比例復活で議席を死守できる仕組みです。しかし、党の内規により比例名簿への登載を禁じられた候補者たちは、野党の一騎打ち構図に持ち込まれた際、わずか数千票、数百票の差で比例復活できなかった議員としてそのまま議席を失うこととなりました。
東京7区から出馬した丸川珠代元五輪相の敗北や、かつて官房副長官や経産相を歴任した西村康稔氏が無所属で辛勝した一方で、同じく無所属出馬を余儀なくされた萩生田光一氏が激戦を制した事例など、個人の基礎票の厚みによって明暗がくっきりと分かれました。しかし、比例重複のセーフティネットを剥ぎ取られた自民候補の多くは、無党派層の離反を食い止める術を持たず、雪崩を打つように落選していったのです。