映画館へ子どもを連れて行くタイミングについて、市場調査機関「アスマーク」が実施した子どもの映画館デビューに関する実態調査や大手リサーチ各社のアンケートデータを検証すると、明確な傾向が浮かび上がります。初めて映画館を利用した年齢層として最も回答が集まったのは「4〜5歳」であり、全体の約半数を占めています。
一方で、「3歳以下」でデビューを果たしている家庭も全体の2〜3割存在します。しかし、ここで注目すべきは「何を観に行ったか」という作品ジャンルの明確な違いです。3歳以下での鑑賞作品は8割以上が『アンパンマン』や『しまじろう』といった乳幼児専用プログラムに集中しています。これに対して4〜5歳になると、戦隊ヒーローもの、プリキュアシリーズ、あるいは『クレヨンしんちゃん』『ドラえもん』といった上映時間が90分〜100分を超える本格的な長編劇場版へと対象がステップアップしていきます。
発達心理学の観点からも、2歳〜3歳前半の子どもが暗闇の中で一定方向を静止して見つめ続けられる集中力の限界は「20〜30分程度」とされています。ストーリー展開を因果関係として頭の中で理解し、起承転結を追えるようになるのは認知機能が大きく発達する4歳頃からです。3歳児から「映画に行きたい」とおねだりされたとしても、それはテレビCMや動画配信のダイジェスト映像に反応しているケースが大半であり、映画館の非日常空間に耐えうる適性が備わっていることとは直結しません。