運命が暗転したのは2012年4月のことだった。都内の自宅で田宮さんが倒れ、搬送された病院で下された診断はくも膜下出血。命を取り留めることすら危ぶまれる絶望的な状況だった。
その時、彼の一番近くでその手の手を握りしめていたのが浅野ゆう子だった。第一線を走り続けるトップ女優としての多忙なスケジュールを縫い、彼女は病室へと通い詰めた。意識の回復を祈り、リハビリの手伝いに没頭する。過酷な現実を目の前にしながらも、決して諦めの表情を見せなかった彼女の佇まいは、周囲のスタッフを圧倒させるほどの強い意志に満ちていたという。