ドラッグストアなどで「ドライマークの衣類も洗える」と記載されたおしゃれ着洗剤が販売されています。しかし、ドライクリーニングの自宅での洗い方について、根本的な認識違いをしている方が少なくありません。
結論から言えば、家庭でドライクリーニングを行うことは法制上も設備上も不可能です。家庭用洗濯機の「ドライコース」や「手洗いコース」は、水流を弱くして衣類の摩擦を抑えているだけであり、使っているのは純然たる「水」です。石油系溶剤などの有機溶剤は引火性や揮発性があり、専用の密閉回収装置を備えた認可工場でしか扱えません。
衣類のケアラベルにある洗濯表示ドライマークの見方を正しく理解することが極めて重要です。2016年12月以降の新JIS表示では、円の中にアルファベットが配置された記号がドライクリーニングの可否を示しています。
- 「○の中にP」:テトラクロロエチレンや石油系溶剤によるドライクリーニングができる
- 「○の中にF」:石油系溶剤によるドライクリーニングができる(デリケート素材に多い)
- 「○の中にW」:プロによるウェットクリーニングができる
- 「○に×印」:ドライクリーニング禁止
家庭用洗剤のパッケージにある「ドライマーク用」とは、「ドライマークが付いているようなデリケートな衣類でも、型崩れしにくい中性洗剤で優しく水洗いできる」という意味に過ぎません。芯地がしっかり入ったジャケットやレーヨン素材など、水に濡れただけで収縮・型崩れを起こす衣類を自宅で洗うと、取り返しのつかないダメージを負うことになります。