1990年代後半から2000年代初頭にかけて、藤原紀香は名実ともに日本のトップアイコンへと駆け上がります。その起爆剤となったのが、移動体通信事業者J-PHONE(現・ソフトバンク)のテレビCMでした。近未来的なシルバーのタイトスーツやスタイリッシュな衣装に身を包み、カメラ付き携帯電話を片手にクールに微笑む姿は、新しい時代の到来を告げる象徴として日本中のお茶の間に刻み込まれました。
民放キー局の広告担当者が当時の熱狂を次のように振り返っています。『彼女がCMで着用した衣装や使用した端末は、翌日には問い合わせが殺到し、店頭から商品が消えるのが日常茶飯事だった。健康的なセクシーさと知性、そして関西弁を屈託なく操る親しみやすさの同居は、当時の広告業界において無敵のパッケージだった』。
映像作品においてもその存在感は際立っていました。1997年の映画『CAT'S EYE キャッツ・アイ』では、内田有紀、稲森いずみとともに三姉妹の次女・来生泪役を熱演。タイトなキャットスーツを見事に着こなしたアクションシーンは、漫画からそのまま飛び出してきたかのようなプロポーションと評されました。
さらに、ドラマ代表作となった『ナオミ』(1999年、フジテレビ系)での型破りな高校教師役や、『スタアの恋』(2001年、同系)での大女優役など、自らの圧倒的なスター性と美貌をセルフパロディ的に昇華させた演技で、視聴率女王の座を不動のものにしました。現在ネット上で「全盛期の画像が神がかっている」と話題になるカットの多くは、まさにこの20代後半から30代前半の多忙を極めていた時期に撮影されたものです。