万引きに手を染めた警察官を待つのは、徹底した組織内調査と過酷な処分です。警察職員の非違行為については、警察庁の懲戒処分指針によって明確な基準が定められています。
指針において、窃盗(万引きを含む)は最も悪質な職務外非違行為の一つに位置づけられており、基本処分は「免職」または「停職」です。被害額が数百円程度と少額であり、初犯で被害店舗との示談が成立している場合、形式上は「停職1カ月〜6カ月」にとどまる事例もあります。しかし、警察内部の実情として、停職処分を受けた警察官が組織に残り続けることは極めて困難であり、処分の当日に「依願退職」という形で職を辞するのが通例です。
最も大きな経済的打撃となるのが退職金です。懲戒免職となった場合、退職手当は原則として全額不支給となります。停職処分後に自主退職した場合であっても、各自治体の退職手当審査会によって大幅な減額や不支給措置が下されるのが通例です。わずか数百円の万引きによって、将来受け取るはずだった数千万円の退職金と社会的信用を一瞬で失うことになります。