「普段は温厚なのに、特定の瞬間にスイッチが入ったように暴れる」という場合、精神医学における急に怒り出す病気の代表格である「間欠性爆発性障害(IED: Intermittent Explosive Disorder)」が疑われます。
アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-5)に基づく間欠性爆発性障害の診断では、以下のような特徴が重視されます。
- 不釣り合いな攻撃性:誘発要因や心理社会的ストレスの度合いに対して、生じる攻撃行動が明らかに過剰である
- 計画性のない衝動性:怒りが突発的で、金銭や権力を得る目的などの打算がない純粋な衝動爆発である
- 明確な苦痛と機能障害:爆発後に本人が強い苦痛を感じている、または職を失う・法的なトラブルに発展するなどの実害が出ている
間欠性爆発性障害を抱える人は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの代謝異常が関与しているとされ、本人の「意志の弱さ」だけでコントロールするのは極めて困難です。適切な薬物療法や認知行動療法を受けることで、発作的な怒りの頻度と強度を劇的に減らすことが可能です。