だが、生き残りに舵を切った施設のアプローチは鮮烈だ。都市部の小綺麗なコワーキングスペースとは根本的に異なる。持ち込まれたのは、現場の汗とデジタルの融合だ。
例えば、広大な地下展示ホールをまるごと工作機械とロボットアームの検証スペースへと改装した事例がある。町工場の職人が持ち込むミクロン単位の加工データと、スタートアップが組んだ画像認識AIをその場で突き合わせる。オフィスビルの規約では不可能な「騒音・粉塵・高圧電力」を許容できる頑丈な昭和の躯体構造が、皮肉にも最新ハードウェア開発の聖地として機能し始めた。単なるデスクワークの場ではない。モノが実際に作られ、火花が散る空間としての再生だ。