大衆文化の領域でも、構造変化の足音が大きく鳴り響いていた。映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』の公開は、約10年に及ぶ世界的ファンタジーシリーズの完結を告げ、従来の映画興行における金字塔を打ち立てた。
その一方で、エンターテインメント業界全体の生態系を塗り替える波が静かに押し寄せていた。当時はまだDVDレンタル事業からの移行期にあったNetflixが、オリジナルコンテンツ制作へと舵を切り始めた時期でもある。映画館での体験とストリーミングによる個人の消費。この二つの潮流が交錯した瞬間であった。