たけのこのアクの主成分は、強い渋みとえぐみをもたらすシュウ酸とホモゲンチジン酸です。これらは収穫直後から急速に増加し、時間の経過とともに独特のいがらっぽさが強まります。ここで米ぬかを用いることには、明確な食品化学的根拠が存在します。
米ぬかに豊富に含まれるカルシウムイオンは、たけのこ内部のシュウ酸と結合して水に溶けにくい不溶性の「シュウ酸カルシウム」を形成し、舌にえぐみを感じさせなくする働きがあります。さらに、米ぬかの細かい粒子と脂肪分がえぐみ成分を吸着してコーティングし、外へと溶出させる役割を果たします。加えて、米ぬかのデンプンやアミノ酸がたけのこの細胞組織に浸透することで、繊維をしっとりと柔らかく保ち、風味にまろやかなコクを与えるのです。
失敗しないための米ぬかの黄金比率は、たけのこ中サイズ2〜3本(約1kg)に対して「水:たっぷりと浸かる量(約2〜3L)」「米ぬか:1カップ(約40〜50g)」「赤唐辛子:1〜2本」です。唐辛子に含まれるカプサイシンには防腐効果とぬか臭さを引き締める効果がありますが、辛味が苦手な方や子ども向け料理に使用する場合、米ぬかアク抜き唐辛子なしでも化学的なアク抜き効果そのものに大きな差異はありません。