最愛の息子を突然失った草刈正雄さんの悲嘆は、筆舌に尽くしがたいものでした。事故直後は憔悴しきった姿が報じられ、一時は俳優業の継続すら危ぶまれるほどの精神的ショックを受けていました。
その失意の底から立ち上がるきっかけとなったのが、2016年に放送されたNHK大河ドラマ『真田丸』での真田昌幸役です。草刈さんは「息子のためにも、役者として全力で生きる姿を見せなければならない」と覚悟を決め、鬼気迫る演技を披露。その熱演は社会現象を巻き起こし、俳優・草刈正雄の圧倒的な実力を改めて世に知らしめました。
悲しみを完全に消し去ることはできなくとも、演じることの中に息子の魂を感じ、自らの生き様を通じて前を向く姿は、多くの人々に勇気と感動を与えました。