日本のポピュラー音楽史において、1989年(平成元年)という年はひとつの大きな分水嶺でした。プリプリ Diamonds 発売日 1989年4月21日、当時の音楽業界はまだレコードからCD(8cmシングル)への完全移行期の真っ只中にあり、女性のみで構成された自作自演のロックバンドがチャートの頂点を極めること自体が前代未聞の快挙とされていました。
オリコン公認データによると、本作は登場週こそトップ10圏外だったものの、ソニーのカセットテープ「HF」CMソングとしての強力なタイアップ露出と、圧倒的な口コミによって驚異的なロングセールスを記録。最終的にプリンセス プリンセス ミリオンセラー 記録となる累計170万枚以上を売り上げ、同年のオリコン年間シングルランキングで堂々の1位を獲得しました。さらに同ランキング2位には『世界でいちばん熱い夏』がランクインし、女性グループとして史上初となる年間1位・2位独占という歴史的偉業を成し遂げたのです。
当時の報道各社の取材データや音楽誌の論評を紐解くと、ヒットの背景には「男性向けに作られた女性アイドル像」への倦怠感と、女性が自らの言葉と楽器で自己主張する新しい時代感の到来がありました。男性主導のロック界に風穴を開けた彼女たちの成功は、音楽業界全体のパラダイムシフトを象徴する出来事だったのです。