漢字の歴史において、文字の画数が極限に達した最高峰として学術的にも知られているのが、合計84画で構成される和製漢字(国字)です。
この文字は、「雲」を3つ配置した「𩺊(とう)」と、「龍」を3つ配置した「龘(とう)」を組み合わせた構造を持っています。文字の内訳は「雲(12画)×3 = 36画」+「龍(16画)×3 = 48画」となり、正確に合計すると84画に達します。
気になる世界で一番画数が多い漢字 読み方としては、主に「たいと」「だいと」「おとど」と伝承されています。日本最大の漢和辞典である諸橋轍次編『大漢和辞典』(大修館書店)の補遺版にも正式に採録されており、日本の辞書に掲載された文字としては単独で最多画数を誇る金字塔です。
一方で、中国の古文献や民間伝承に目を向けると、さらなる画数を持つ文字の記録が散見されます。特に有名なものが、4つの雷と4つの龍を重ね合わせるなどして構成されたとされる世界一画数が多い漢字 128画の文字です。ただし、これらは日常の筆記や公的行政で流通した文字ではなく、道教の儀式で使われた「符(お札)」や呪術的な合字(複数の文字を一つに合体させたシンボル)という性格が極めて強いのが実情です。