根拠のない完結説がここまで強固に信じ込まれた背景には、デジタル空間特有の情報消費パターンが深く関わっています。現場のデータと読者の検索行動を検証した結果、以下の3つの構造的要因が特定できました。
第1に、実写ドラマの放送終了との混同です。テレビ東京の「木ドラ25」枠で放送された実写ドラマ全12話が綺麗に完結した際、ドラマ視聴層が「新米姉妹のふたりごはん 最終回」と一斉に検索しました。この検索ボリュームの急増が検索エンジンのサジェスト機能を刺激し、原作漫画も同時に終了したかのような錯覚を後発の読者に与えてしまったのです。
第2に、スピンオフ展開や掲載媒体の移行に伴う混乱です。公式によるウェブ掲載やタイアップ企画の終了告知が、一部のSNS上で「作品自体の打ち切り・終了」として誤解されてリポストされた事例が確認されています。
第3に、読者が抱く「日常系作品の宿命」への先入観が挙げられます。親の再婚という明確な前提から始まった物語である以上、「両親の帰国」や「姉妹の自立・卒業」が訪れれば自動的に物語が終わるはずだという読者の心理的バイアスが、「もう完結しているはず」という予断を生み出しました。