この事件が長年にわたり語り継がれている背景には、パチンコファンの心理とネット社会特有の「都市伝説化」の構造があります。ネット上でしばしば見られる誤解をここで整理しておきます。
第一の誤解は、「ゴト師による遠隔操作や不正器具の使用だったのではないか」という不正説です。しかし、所轄警察署の臨場検査やメーカー立ち会い調査の結果、不正ロムやセル板への細工といった不法行為の痕跡は一切確認されませんでした。あくまで機械稼働に伴う経年劣化、または玉詰まりに起因する役物の純粋なメカニカルトラブルでした。
第二の誤解は、「ホールが丸儲けした、あるいはプレイヤーが大儲けした」という金銭的結果への誤認です。実際にはプレイヤー側も満額の換金を受けたわけではなく、ホール側もトラブル対応による営業中断とSNS上の炎上対応という大きな損害を被りました。機械トラブルは誰にとっても利益をもたらさないアクシデントに過ぎなかったのです。