インターネット上やSNSでは、若隆景に関してしばしば「怪我前の相撲には戻らないのではないか」「30代を迎えて軽量力士の肉体的な限界が来るのではないか」といった懐疑的な意見が散見されます。しかし、これらの言説は相撲力学の本質を見落とした表面的な見方に過ぎません。
荒汐部屋関係者および相撲解説者の分析によると、若隆景の相撲の真髄は単なるスピードや身軽さではなく、「相手の力を無力化するテコの原理(おっつけ)」にあります。右腕を相手の左脇深くに差し込み、肩口を持ち上げるように絞る技術は、相手の体重が重ければ重いほど支点を奪う効果を持ちます。
さらにネット上では「怪我をした右膝をかばって引き技が増えるのではないか」と懸念されましたが、復帰後の取組内容を見ると、むしろ前へ出る圧力相撲を徹底しています。痛みを恐れて引けば自ら土俵際へ追い込まれることを熟知しているからこそ、攻めの相撲を崩さない。この事実こそが、ネット上の安易な限界説を完全に覆す決定的な証拠です。