波留敏夫氏の指導者キャリアにおいて、最もファンの記憶に焼き付いているのが2026年6月の中日ドラゴンズ時代の出来事です。交流戦の対北海道日本ハムファイターズ戦、精彩を欠く攻撃が続いたイニング間、ベンチ前で選手たちに向けて「アホちゃうかお前ら!目を覚ませ!」と大声で檄を飛ばすシーンが中継カメラに捉えられました。
この強烈な叱責劇は瞬く間にSNSやメディアで拡散され、大きな議論を呼びました。チームの士気を鼓舞するための熱意ある叱責と受け止めるファンがいた一方で、令和の時代における指導法として疑問視する声も上がったのは事実です。
この騒動から間もない6月中旬、球団は一軍打撃コーチだった波留氏を二軍打撃コーチへ配置転換することを発表。そして同年シーズン終了後、そのまま退任が決定しました。当時の立浪和義監督との指導方針のズレやチーム打撃不振のテコ入れが理由として挙げられましたが、根底には「泥臭く勝利に執着してほしい」という波留氏ならではの強い危機感がありました。