腸内環境を整え、自然な排便リズムを取り戻す土台となるのが毎日の食事と水分管理です。高齢になると口渇感(喉の渇き)を感じにくくなるため、意識的な水分補給が欠かせません。
高齢者が1日に必要とする水分摂取量の目安は、食事に含まれる水分とは別に「1.2L〜1.5L」です。一度に大量に飲むのではなく、起床時、毎食時、10時や15時の間食時、入浴前後、就寝前など、コップ1杯(約150ml)をこまめに分ける「時間割給水」を習慣化することが脱水と便の硬化を防ぐ鍵となります。
食事の献立においては、食物繊維の選び方にコツがあります。食物繊維には「不溶性」と「水溶性」がありますが、腸の動きが弱っている高齢者が不溶性食物繊維(ごぼう、玄米、豆類など)を過剰に摂取すると、便のかさが増えすぎてかえって腸内で詰まってしまう恐れがあります。
おすすめは、便を柔らかくゼリー状にして滑りを良くする水溶性食物繊維を豊富に含んだ食材です。
- 海藻類:わかめのお吸い物、もずく酢、ひじきの煮物
- ネバネバ食材:オクラ、長芋、納豆
- 果物・穀類:熟したバナナ、キウイフルーツ、もち麦ごはん
- 良質な油分:スプーン1杯のオリーブオイルやアマニ油を味噌汁に垂らす(腸内の潤滑油として機能)
噛む力や飲み込む力(嚥下機能)に合わせて、具材を細かく刻んだり柔らかく煮込む工夫を取り入れながら、毎日の献立に無理なく取り入れていきましょう。