競馬界において世界的な議論の的となっているのが、過度な打撃に対する規制強化だ。国際競馬統括機関連盟(IFHA)が提示する基準に基づき、世界各国で鞭の使用基準が順次厳格化されてきた。これに足並みをそろえる形で、日本中央競馬会(JRA)も「鞭の使用規制ガイドライン」を段階的に更新。連続使用の制限や、1レースあたりに叩く回数の上限を明確に定めた最新のルールが現在運用されている。
背景にあるのは、世界的な高まりを見せる動物福祉の観点だ。単に走らせるための道具という時代は終わりを告げ、馬の保護と公平な競争環境の維持が最優先課題となった。規定に違反した騎手には過怠金や騎乗停止といった厳罰が科されるため、ジョッキーは制限回数の中でいかに効果的なタイミングを見極めるかという、新たな頭脳戦を強強いられている。