住宅設備大手のミズテックや給湯器修理の現場技術者への取材から浮き彫りになったのは、シャワーの水圧が低下する要因は大きく5パターンに分類できるという事実です。やみくもに対策を打つ前に、まずは「何がボトルネックになっているのか」を論理的に切り分ける必要があります。
チェック方法は極めてシンプルです。まず、浴室の「水だけ」を出したときと「お湯だけ」を出したときで、勢いに違いがあるかを確認してください。水は勢いよく出るのにお湯にすると極端に勢いが落ちる場合、原因は水道配管ではなく給湯器の号数確認や給湯器内部の減圧機構に絞り込まれます。一方で、水もお湯も等しく弱い場合は、水栓金具の手前にある止水栓、配管フィルター、あるいはシャワーヘッド自体の問題である可能性が極めて高くなります。
現場取材で確認された主要な原因は以下の5点です。
- シャワーヘッド散水板の目詰まり:水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分(カルキ)が結晶化し、微細な吐水孔を塞いでいるケース。
- 混合水栓の止水栓が絞られている:入居時から水栓のクランク部分にある止水栓が固く絞られたままになっており、本来の給水能力が発揮されていないケース。
- ストレーナーフィルターのゴミ詰まり:水栓金具の接続部にあるフィルターに、水道管由来のサビや砂などの不純物が堆積して水流を遮断しているケース。
- 給湯器の能力不足(号数のミスマッチ):一人暮らし向けの16号給湯器で冬場に給湯を行ったり、台所と浴室で同時出湯したりすることで給湯能力の限界(キャパシティオーバー)に達しているケース。
- 建物全体の水圧不足(マンション特有の要因):中高層マンションの高層階において重力給水や直結増圧給水の圧力が弱い、あるいは配管に設置された減圧弁の故障と対策が必要なケース。