「NHKや日テレは鮮明に映るのに、なぜかTBSやテレビ朝日だけがE202になって映らない」という現象に遭遇することがある。すべての局が消えるわけではないためテレビ本体の故障を疑いやすいが、これも明確な物理的理由が存在する。
日本の地上デジタル放送は、物理チャンネルごとに異なるUHF周波数帯(470MHz〜710MHz)を用いて送信されている。周波数が高くなればなるほど、ケーブルの経年劣化や端子の接続不良による信号減衰の影響を顕著に受けやすくなる。すなわち、全体の受信電波が全体的に低下して境界線(閾値)ギリギリになった際、周波数が高い特定のチャンネルだけが先にデコード不能に陥り、E202を吐き出すという事態が発生するのだ。
また、住居環境によっても発生メカニズムは大きく二分される。
戸建て住宅の場合、台風悪天候による受信障害が引き金になるケースが目立つ。大雨による雨滴で電波が散乱・減衰する「降雨減衰」は天候の回復とともに収束するが、強風によって屋根上の八木式アンテナの向きがわずか数度ズレてしまった場合、電波の拾いやすい帯域だけが辛うじて受信され、拾いにくい帯域がブロックノイズやE202に変わる。
一方、分譲・賃貸マンションなどの集合住宅で特定チャンネルや全チャンネルが突然映らなくなった場合、個人の専有部分ではなくマンション共同アンテナ不具合が発生している可能性が高い。屋上に設置された共同受信アンテナの向きズレや、共用配電盤に収められている共用ブースターのブレーカー遮断、共用分配器の経年故障などが疑われる。この場合、同じマンションの隣室や別フロアの住民にも全く同じエラーが起きているため、自己判断で業者を手配する前に管理会社やオーナーへ連絡を入れるのが鉄則である。