滝藤賢一といえば、芸能界屈指のファッショニスタとして知られる。ヴィンテージの古着からハイエンドなデザイナーズブランドまでをミックスする彼のスタイルは、一朝一夕で身につくものではない。
その審美眼のベースにあるのが、幼少期に過ごした実家の環境だ。常にミシンの音が響き、色とりどりの生地やボタン、型紙に囲まれて育った少年時代。日常の中に「服を作るプロセス」が溶け込んでいた経験こそが、彼の衣服に対する深い理解と愛着を生み出した。実家が「金持ち」かどうかという物質的な次元を超えて、クリエイティブな刺激に満ちた「精神的な富」がそこには溢れていたのだ。