こうした犯罪者たちの生い立ちや経歴を追跡すると、幼少期から特異な兆候を示していたケースだけでなく、ある時期の挫折を機に急速に倫理観を喪失していった事例も少なくありません。
取材記録や公判資料によると、家庭環境の極端な抑圧や過干渉、あるいは逆に深刻なネグレクトを経験し、虚言によって自己を保つ癖が身についてしまった人物が多く見られます。思春期から青年期にかけて小さな嘘や詐取を重ね、それが発覚しなかった成功体験が「自分は他人を意のままに操れる」という肥大化した万能感へと変化していきました。
学歴や経歴を華麗に詐称し、虚飾で塗り固めたプロフィールで周囲を圧倒する一方で、内面には強い劣等感と承認欲求が渦巻いていました。事業の失敗や多額の借金といった人生の行き詰まりに直面した際、倫理的なブレーキが完全に崩壊し、一線を越えて凶悪犯罪へと手を染めていくケースが典型的な転落パターンです。