館内中央に位置する展示空間には、常に張り詰めた、けれど心地よい緊張感が漂っている。かつてシルクロードの終着点としてあらゆる異国の美を飲み込んできた奈良の歴史性をなぞるように、ここでは現代美術作家の挑戦的なインスタレーションから伝統工芸の若手職人による実験作までが月替わりで並ぶ。
鑑賞者は買い物のついでにふらりと立ち寄り、作品の真横で立ち止まる。美術館のガラスケース越しでは決して味わえない、手触り感のあるアート体験がそこにある。古都の文脈を再解釈したオブジェと、すぐ隣に平積みされた前衛的な写真集。その配置の妙こそが、この書店の真骨頂だ。