毎月最初の辰(たつ)の日に参拝する「初辰(はったつ)まいり」は、関西の商業者を中心に絶大な支持を集める住吉大社独自の伝統信仰です。この神事は、4年間(計48回)毎月欠かさず参拝することで「四十八辰(しじゅうはったつ)」=「始終発達(四十八辰)」に通じ、満願成就を果たすという壮大な仕組みを持っています。
住吉大社の初辰まいりと招福猫の集め方には、厳格な巡礼ルートとルールが定められています。巡る順番は以下の通りです。
- 一番参り・種貸社(たねかししゃ):「種」を授かる社。商売の元手(資本)や子宝の種を祈願し、「種貸人形」や「お種銭」を拝受します。
- 二番参り・楠珺社(なんくんしゃ):樹齢千年を超える巨大な御神木の楠がそびえる初辰まいりの中心地。「初辰猫(招福猫)」の小猫を拝受します。奇数月は「人招き(左手を挙げた猫)」、偶数月は「金招き(右手を挙げた猫)」を授かります。
- 三番参り・浅沢社(あさざわしゃ):弁財天を祀る池の社。芸事上達、女性の守護、美容の神として心身の美しさを願います。
- 四番参り・大歳社(おおとししゃ):収穫と集大成を司る神。種貸社で蒔いた種を、楠珺社で育て、大歳社で豊かな実り(大願成就)として収穫する構造です。
楠珺社で毎月1体ずつ授かる招福猫(小)は、4年間で48体集まります。この48体を納めると、中くらいの招福猫1体と交換してもらえます。さらに、中猫2体と小猫48体(通算12年)を満願すると、巨大な大猫1体へと昇格します。一歩一歩着実に商売と信用を積み上げていく商人の気概が、このシステムに見事に昇華されています。