朝ドラで全国区の知名度を獲得した松嶋菜々子は、1990年代後半から2000年代にかけて、日本のテレビドラマ史に燦然と輝くヒット作を次々と世に送り出します。
1998年の大ヒットドラマ『GTO』では、主人公・鬼塚英吉の同僚教師である冬月あずさ役を好演。知的でありながら人間味あふれるヒロイン像を確立し、男性視聴者のみならず同世代の女性層からも圧倒的な支持を獲得しました。翌1999年には、江口洋介とタッグを組んだ『救命病棟24時』で過酷な救急医療の現場に立ち向かう医師・小島楓役を熱演。同シリーズは後に彼女のライフワークとも呼べる代表作へと成長します。さらに同年、TBS系ドラマ『魔女の条件』では、滝沢秀明演じる男子生徒と許されぬ恋に落ちる高校教師・広瀬未知役という極めてセンシティブな役に挑戦。禁断の愛に葛藤する繊細な心理描写と息をのむような美しさは、最高視聴率29.5%を叩き出す原動力となりました。
そして2000年、彼女のキャリアにおいて金字塔となったのがフジテレビ系月9ドラマ『やまとなでしこ』です。演じた神野桜子は、「愛よりお金」を信条に掲げながらも、真実の愛に揺れ動く客室乗務員。彼女が劇中で着用したハイブランドのスーツやコート、上品な巻き髪スタイルは世の女性たちの憧れの的となり、街中には「桜子スタイル」を模倣する女性が溢れ返りました。最終回で記録した平均視聴率34.2%という驚異的な数字は、平成の恋愛ドラマにおける歴代屈指の記録として今なお語り継がれています。