パーキンソン病の本質的な原因は、脳の中脳に存在する「黒質」という部位の神経細胞が減少し、神経伝達物質であるドーパミンが不足することにあります。ドーパミンは身体の運動をスムーズにコントロールする指令塔の役割を担っており、これが減少することで筋肉の協調運動が破綻します。
なぜドーパミン神経が脱落するのかについては、「αシヌクレイン」と呼ばれる異常なたんぱく質が脳内に蓄積することが主因とされています。現時点で神経変性の完全な予防法は確立されていませんが、加齢だけでなく遺伝的要因や環境要因が複雑に絡み合っていると考えられています。
また、パーキンソン病は高齢者だけの病気ではありません。発症者の約10%は50歳未満で発症する若年性パーキンソン病です。仕事や子育ての最盛期に発症するため、単なる疲労やデスクワークによる肩こり・腰痛と誤認され、確定診断までに数年を要するケースが少なくありません。働き盛りであっても「手足のこわばり」「タイピング速度の極端な低下」が続く場合は注意が必要です。