1990年代半ば、『CROSS ROAD』『innocent world』『Tomorrow never knows』と立て続けにミリオンセラーを記録し、名実ともに日本の音楽シーンの頂点に君臨したMr.Children。しかし、アルバム『深海』や『BOLERO』のリリースを経て、モンスターバンドへと肥大化した重圧と狂騒の中で、メンバーの精神は限界に達していました。
1997年春、バンドは突如として活動休止を宣言。当時の音楽誌のインタビューや関係者の証言によると、桜井和寿は極度のスランプと自己嫌悪に陥り、「もう歌うべき言葉が見つからない」と吐露するほど追い詰められていたと記録されています。バンドの空中分解さえ囁かれる中、約1年半の沈黙を破って世に放たれたのが『終わりなき旅』でした。
本作は、和久井映見が主演を務めたフジテレビ系ドラマ『殴る女』の主題歌として書き下ろされました。崖っぷちに立たされたボクシングジムの女性トレーナーと落ち目のボクサーが再起をかけるドラマのプロットは、当時のMr.Children自身の境遇と奇跡的なシンクロを見せます。発売と同時にオリコンチャートで初登場1位を獲得し、活動休止明けのシングルとしてミリオンセラーを達成。単なる商業的成功にとどまらず、「Mr.Childrenという生命体が完全に息を吹き返した瞬間」としてファンの記憶に刻み込まれました。