ヒロインを演じたリリー・ジェームズが纏った衣装最大の秘密は、その完璧な内部構造に隠されている。公開当時、あまりのウエストラインの美しさに「デジタル加工ではないか」と騒がれたが、真実は完全な立体裁断と力学的な構造計算の賜物だった。内部には極細のスティールボーンを配した特注コルセットが組み込まれ、女優の体を安全かつ完璧なシルエットへと補正していたのだ。
さらに、スカート部分は8層もの異なる生地が重なり合う多層構造を採用。最下層には馬毛を用いた軽量かつ強靭なクリノリン(スカートの膨らみを維持する枠組み)が配置され、リリー・ジェームズが優雅に舞踏会を舞う際も、脚に生地が絡みつかない設計となっていた。ドレスの表面には1万個を超えるスワロフスキーのクリスタルが手作業で縫い付けられ、一歩踏み出すごとに夜空の星々のような輝きを解き放った。