ドラマ『季節のない街』が国内外のレビューサイトで満足度90%超という極めて高い評価を維持している最大の要因は、重層的な人間ドラマと宮藤官九郎ならではのユーモアが奇跡的なバランスで同居している点にあります。
主人公は、災害で何もかも失い、生きる希望を失った田中新助(通称:半助)。演じる池松壮亮は、傍観者として街の住人たちを観察・報告する冷めた男が、次第に街の熱量に巻き込まれ人間性を取り戻していく過程を、繊細な眼差しの変化だけで表現し切りました。また、街の青年部のリーダー・タツヤを演じた仲野太賀は、家族の重荷を背負いながら空回りする切なさを体現。街の愛すべき変わり者・オカベ役の渡辺大知とともに、絶妙なトリオの掛け合いを見せます。
視聴者の間でも「単なる被災地の物語ではなく、すべての生きづらさを抱える人への応援歌」「笑いながら見ていたはずなのに、気づけば涙が止まらなくなっていた」といった声がSNS上で溢れました。人間の弱さや身勝手さを断罪せず、丸ごと肯定する宮藤官九郎の温かいまなざしが、視聴者の琴線に強く触れています。