外食だけでなく、近年は下関市へのふるさと納税返礼品や、老舗水産加工会社からの産地直送お取り寄せの需要が急増しています。しかし、選び方を誤ると「身がパサついて水っぽかった」「ヒレ酒が生臭くなってしまった」という失敗に直面します。家庭で本場の味を完璧に再現するための選定基準と調理のコツを解説します。
まず選ぶべきは、「冷蔵(チルド)便」か「プロ仕様の急速超低温冷凍」のいずれかです。記念日など食べる日程が確実に決まっている場合は、職人が発送当日に包丁を入れ、一度も凍らせずに届く冷蔵便が最良です。ドリップ(肉汁)の流出が一切なく、店舗とほぼ同等の弾力と香りを堪能できます。一方、お祝い事の予備や長期保管を希望する場合は、マイナス50度以下の液体窒素等で急速凍結されたものを選び、食べる半日前に冷蔵庫内でじっくり低温解凍するのが鉄則です。
家庭で最も差が出るのが「ひれ酒」の淹れ方です。多くの人が犯しがちな失敗は、焼きが甘いまま酒に投入して生臭さを際立たせてしまうことです。 正しくは、弱火のオーブントースターや魚焼きグリルを使い、ヒレの縁が少し焦げる程度までキツネ色にじっくり炙り抜きます。酒は辛口の本醸造酒などを徳利ごと湯煎し、75度から80度(熱燗よりさらに熱い飛びきり燗)まで温度を上げます。熱湯のような酒を注いだら素早く蓋をし、2〜3分蒸らしてからマッチで表面のアルコールに火を灯すと、香ばしいアミノ酸の香りとコクが酒全体に行き渡り、料亭そのままの芳醇な一杯が完成します。